明海大学経済学部では、グローバル経済コースとグローバル経営コースの2コース制をとっています。この2つのコースを学ぶことで、同じ研究テーマでも違ったアプローチで分析を行うことができます。ここでは、「女性の就業」をテーマに、両アプローチから考察してみましょう。
グローバル経済コースでは、ミクロ・マクロ経済学の基礎を徹底して学び、経済学諸分野を深くします。その中のひとつが労働経済学です。経済学の側面から考えられる問題提起には、例えば、資源の最適配分があります。資源の最適配分とは、資源が無駄なく配分されている状態を指す。就労意欲のある女性であっても、子どもを保育所に預けることができないなど、子育てしながら就労できる環境が整備されていないことにより、仕事を諦めるケースは少なくありません。このことは、労働資源の最適配分を阻害しているといえます。このような問題をどのようにして解決していくかを考える際に経済学は役立ちます。このような問題提起をもとに、専門ゼミでは、例えば、女性活用促進政策を行う前に、本当にその政策が有効かどうかについて、経済学概論やミクロ・マクロ経済学などで学んだ理論と、統計学や計量経済学などで学んだ実証分析を組み合わせて検証します。
グローバル経営コースでは、簿記の知識を基礎に、経営学・会計学の専門分野を研究します。その中のひとつが人的資源間理論です。経営学の側面から考えられる問題提起には、例えば、社員区分制度があります。日本では、企業で働く社員は大きく分けて、正社員と非正社員(パート・アルバイト)に分けられます。女性は男性と比べて非正社員として働く割合が高い傾向にあります。これは結婚や出産を契機に一度労働市場から退出し、その後、正社員の職に就くことが難しいからです。しかし、日本は少子高齢化による将来の労働力不足が問題視されています。現在、企業は働く意欲のある社員に対して、どのような働き方の制度を整えるべきかについて考える時期にきています。このような問題提起をもとに、専門ゼミでは、例えば、企業内の人事制度などが女性の働き方に与える影響や、企業業績との関係などについて、ケース・スタディを行い、ベスト・プラクティスにつなげる方法を分析します。
このように、経済学と経営学を学ぶことで異なるアプローチによる分析が可能になります。経済から経営・会計まで幅広く学習する機会が用意されている明海大学経済学部では、経済学や経営学に特化して学ぶことでスペシャリストを目指すことも、両方を学ぶことでゼネラリストを目指すことも可能です。
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【By 萩原里紗】