この論文は「子どもってお金かかるよねえ。はあ〜」という親の実感を、学問的に表現したものです。
単刀直入に言うと、(1) 子どもを持つことの金銭的満足度に対するマイナス効果が大きい国ほど少子化が進む、(2) 多産な国では子どもを持つことが老後の金銭的満足度を上げるという2点を示しました。要は子どもが金銭的にトクならば子どもをたくさん産むし、損ならば子どもをあまり産まないという、きわめて合理的な結論です。子どもにお金がかかるから少子化が進む!と言い換えることもできます。
ただこの当たり前の結論を得るのも言うが易し行うが難しで、地道な作業が必要です。こういったテーマを学問的に追求しようとすると、「金銭的に満足してないから子どもを持つのを止めよう」といった逆方向の影響なども考えないといけないためです。
でも幸福度や満足度の研究には「身近な疑問」がたくさん残っています。関心のある人はぜひ論文を読んでみて下さい。
p.s., 論文欲しいけどダウンロードできない人は影山まで。
【By 影山純二】