オーストラリア・ゴールドコーストで開催された国際自殺予防学会(IASP)アジア太平洋大会にて、基調講演を行いました。
講演のタイトルは「Effective surveillance systems for suicide prevention-lessons from Japan」。日本の自殺データの特徴を「自殺の氷山」に照らして解説しました。他の先進国では死にたいと思う自殺念慮者、死のうとした自殺未遂者のデータ整備が進んでいますが、日本では警察の業務データである自殺統計がリアルタイムデータとして2008年から利用可能であることを紹介しました。
一方、日本の課題である自殺未遂者データは救急救命病院を繋いで整備させる段階にあり、自殺念慮者データは全く整備が進んでおらず、データ量から見ると他の先進国などと違って「自殺の氷山」が逆さであることを指摘しました。
発表に対して「警察データは分析に耐えうるのか」などの質問があり、日本のデータ収集への関心の高さが感じられました。
[By 高橋義明]